日本オンライン研究会とは

会長挨拶

日本オンライン診療研究会発足に当たって

 日本国民のスマホ所持率が79.4%を超えている現在(博報堂メディア環境研究所2018年5月発表)、医療の中に、特に患者側からのアプローチにIT機器を活用しようという流れは、もはやだれにも止められない。
2015年夏、厚生労働省は「遠隔診療は離島・僻地に限るものではない」との通達を出した。これがオンライン診療の実質的解禁と受け取られ、オンライン医療システムの開発スピードに拍車がかかった。
そんな中、翌2016年6月に私は自院でオンライン診療を開始した。そしてその1年半後の2018年4月に、オンライン診療料とオンライン医学管理料とが保険収載されたのである。
だれにも止められないこの流れを、しかし我々はただ傍観していればよいとは考えない。臨床の医療を担う立場から、オンライン診療をどのような疾患に、どのような患者さんに、どういった形で用いることがふさわしいか、医学的に検証し、その結果を社会に発信していく義務があると思う。
患者さんにとって利便性があるという点も、臨床医学のひとつの領域である。そしてまた、利便性にとどまらず、様々な医学的効果について事例を集積して検証していきたい。
本研究会は臨床医によるオンライン診療研究の場として、全国に開かれている。ぜひとも多くの医師のみなさんの研究会へのご参加をお願いしたい。診療科を問わず、多領域からの参画をお待ちしている。
なお、本年4月の診療報酬改定でオンライン診療が収載されたものの、実際に使える点数としてはむしろ低い算定になってしまうという矛盾が生じている。これは2年ごとの診療報酬改定に賭ける今後の課題であるが、それも現場の医療からの提言があってこそ、現実に即した点数化が行われるものと期待する。
新しい酒は新しい革袋に盛るべきである。我々はオンライン診療を皮切りにする医療のIT化を、医療革命という新しい酒であると捉える。その新しい酒を満たす新しい革袋を、臨床の現場からともに作っていこうではありませんか。

2018年10月18日

黒木 春郎
医療法人社団嗣業の会 外房こどもクリニック理事長